オゾン・シェラン・オープン 2025
Published on:
01 Aug 2025
オゾン・シェラン・オープンは、アメリカ合衆国ワシントン州の象徴的なシェラン地域で開催される、EN-C以下のグライダーを対象としたパラグライダー大会です。競技初心者のクロスカントリーパイロット向けに設計されたこのイベントは、世界のトップパイロットたちと競い合い、彼らから学ぶことができる貴重な機会を提供します。
2025年版は、変化に富み、挑戦的で楽しいコンディションの 3 日間でスタートしました。
初日、70名以上のパイロットがスタートシリンダーを異例の低高度で離脱し、コロンビア川の最初の横断をしました。通常、この動きは平地で力強い上昇を得られるのですが、彼らはシンクに遭遇しました。貪欲な空は、ほとんどのパイロットを飲み込んでしまいましたが、幸運な少数のパイロットは軽い上昇気流の中でなんとか上昇しました。より忍耐強いグループはトップアウトし、さらに高い高度で離脱し、南風を利用してルート97の谷をジグザグしながら飛行し、オカノガンのゴールを目指しました。
2日目は、南西の地元の山火事による薄い煙の下で始まりました。これがこの日の決定的な特徴となり、スタート30分前には雲が張り出しました。最も賢明なパイロットたちは9,000フィートまでフリスビーのように上昇し—シリンダーの外に押し出されはしましたが—シリンダーにタッチして平地に向かいました。多くのパイロットはまたしても低高度で離脱し、日が陰った地面に突き刺さりました。一方、高い高度を維持したパイロットはコンバージェンスラインを見つけ、7,000~9,000フィートを余らせてゴールにたどり着きました。
タスクごとに30~40人のパイロットがゴールする2日間の厳しいレースを経て、3日目にはタスクコミッティーが、平地にスタートシリンダーを設置すると言う新たな試みをしました。これにより、パイロットは適切な高度でテイクオフを離脱し、コロンビア川を横断して落ち着く絶好の機会を得られました。南西と西の風が改善されて、この判断は賢明なものとなりました。スタート開始前には集団が徐々に大きくなり、パイロットたちは前日よりもはるかに良い位置からコースラインに沿って風下に飛行し、グランドクーリー回廊へと向かいました。
この日は、力強い上昇、シンク、そして青空という、典型的なシェランの一日を彷彿とさせるものでした。70名を超えるパイロットがゴールし、比較的短い1時間の回収でホームベースに戻りました。
4日目は強い西風のため中止となり、パイロットたちは休息とエネルギーチャージの時間を取り、リバーウォークでのメンターによる講演から学ぶことができました。
全員がエネルギーチャージを終えた最終日は、風が弱まり、レースコンディションは良好でした。タスクコミッティーはレースを地元に留め、シェラン湖を囲む美しいリンゴ園やブドウ園の上空を巡る「湖畔ツアー」を企画しました。
全員が一斉にスタートし、町を横切って湖の北側へ。そこではコンディションは強くなり始めていました。パイロットたちはすぐに、山岳地帯のより高く安全なラインと、湖に近いより速くてリスクの高いラインのどちらかを選ばなければなりませんでした。直線ルートはリフトよりもシンクが多く、序盤からリードしていたパイロットたちを翻弄しました。高度を維持したパイロットたちは、コンバ―ジェンスを見つけ、より安定した上昇が出来ましたが、第2ターンポイントまでのルートが長くなってしまうという代償を払いました。
この日は、太陽が照らす南向きの尾根沿いを進む、ダイナミックなレースへと発展しました。多くのルートオプションと、地形全体に散らばるパイロットたちの存在は、まさに意思決定と忍耐力の試練となりました。
最初の到着者はスタートからわずか90分でゴールし、70名以上のパイロットが湖上のスムースなファイナルグライドを楽しみ、湖岸の芝生の野球場へと到着しました。
総合優勝者の皆さん、おめでとうございます:
- チェーデン・ルーバーケ
- ビル・ベルコート
- ブライアン・フレッチャー
そして女子の表彰台は:
- サマー・バーハム
- リンジー・ヘインズ
- クロエ・ファフォルヌー
4つの多彩なタスクと、忘れられないフライトの数々。
来年お会いしましょう!
レポート提供:アレックス・ベリー
写真:オゾン・パラグライダーズ / ホルヘ・アトラミス