by Luc Armant

これまでデルタシリーズで性能においてこれほど大きく飛躍したことはありません。

外翼に２ライナー構造を採り入れた新しいラインプランはライン抵抗を大幅に削減しました。

加速時のスパン方向のリフト分布は、誘導抵抗を低減する新しい翼端ラインレイアウトおよび翼端ライザーシステムにより改善されています。

小さくなったエアーインテークとオゾンＧストリングを持つ新しい翼型も性能アップに貢献しています。

デルタ３と横並びでの滑空テストにおいて、デルタ３の最高速度では沈下率においてＤ４は大きなアドバンテージがあります：つまり最高速度で滑空性能が大幅に良いことになります。

• デルタ４の最高速度はＤ３より３ｋｍ/ｈ速くなっています
• トリム速度ではＤ４の滑空比は０．２アップしています
• Ｄ４の上昇効率は大幅に向上しています

これらの要因により、非常に穏やかな挙動で、扱いやすいにもかかわらず、Ｄ４はこのクラスで最高のパフォーマンスを誇るクロスカントリーグライダーになると信じています。

乱気流中を簡単かつ高速にグライド―フルコードコントロールハンドル

新しい翼型と新しい内部構造により、加速飛行における剛性が大幅に向上しました。

パイロットは、マントラＭ７とゼノシリーズから継承された専用のフルコードハンドルにより、直感的に翼に接続されています。

アクセルを使っている時は、快適なハンドルを掴んでわずかに圧力を加えているだけでＯＫです。乱気流中迎角が減少しリフトが減少した時、ライザーによるコントロールはほぼ自動的に正しい操作となり、Ｂライザーに直接繋がっているため翼型のキャンバーを乱すことなく安全な迎角を維持します。フルコードハンドルは、活発な大気中、高速でのＸＣトランジットを容易にしてくれます。

ハンドル圧力は微調整されており、パイロットは乱気流の中で長時間疲労せずにグライダーを操縦できます。

直感的で効率的な迎角制御、改良された翼型デザイン、高度にバランスの取れた構造により、デルタ４は乱気流中での驚くほどのグライドマシンです。

Ｇストリング

最初にラッシュ５で導入されたＧストリングは、セル数の増加と同じ利点を欠点（縫製精度によるロス、重量の増加および費用）無しで提供します。加速時には、バイブレーションを抑える効果がありリーディングエッジの形状を維持して性能向上にも寄与します。また、潰れからの回復にも効果が得られます。

異常事態での容易な全般的挙動

アスペクトを比較的小さく抑え、構造とラインプランを改善することで、潰れた後の挙動が穏やかになっています。デルタ４は潰れた後にクラヴァットになる傾向はほとんどありません。対称つぶれからは瞬時に回復します。非対称潰れではほとんど旋回に入りません。衝撃的な回復傾向もありません。

失速には非常に入り難く、安全に低速でコントロールができます。低速でのスパン方向の一体感は素晴らしくトップランディングはこれほどの性能クラスで、これほど楽であったことはありません。

効率的なサーマリングを提供する正確なハンドリング

優れた上昇効率を維持しながらブレークによるハンドリングを微調整し正確さを向上させるために多くの作業がつぎ込まれました。

デルタ４のコード構造はブレークによる変形がほとんど無いので乱れたサーマル内での一体感が向上しています。内部構造全体は適度なブレークプレッシャーおよび翼の応答が優れて直線的である様に微調整されています。

サーマル内での精度と効率を連携させるために、２８個のアッパーブレークライン取り付け部に２８個の連動するＶタブを配することを含む新しいブレークライン構造を開発しました。トレーリングエッジは全ブレークストロークにおいて大変良いテンションを維持し、ブレークライン取り付け間でのブレーキングロスを最小にします。

ブレークインプットに対するロールとヨーの応答は、喜び、楽しさそして効率のために調整されています

翼端折り

翼端での２ライナー構造にもかかわらず、従来の翼端折りは相変わらず容易です。翼端折りをして維持するのにはより多くの力が必要ですが、翼端折りを快適に維持するために専用の被覆ラインを取り付けています。このラインにより、より大きな翼端折りを維持することが出来より効率的な降下をすることが出来ます。デルタ４の翼端折りは自発的に回復する傾向が強くなっています。他のグライダーで翼端折りの後にしばしば経験するイラつく小さなクラヴァットを避けるためにライン構造も改善しました。

素材と重量

キャノピーパネルに強く耐久性のあるよく知られた素材を使用していますが、内部構造を最適化することで、デルタ４の重量を２２０ｇ削減することができました。内部パネルには、高精度のレーザー切断技術を使用することで可能になった、注意深く配置された２，０００以上の穴があり、３５％の重量軽減を実現しています。不要な材料を持ち運ぶことはありません。