シリアル / オープンクラス論争
Published on:
11 Aug 2011
最近起きた悲惨な事故、その後のCIVLの決定を受け、現在のオープン・シリアルクラス論争に対するオゾンの見解を公式に表明したいと思います。
会社の創立以来、オゾンは明らかな論争に対してはシリアルクラスを支持してきており、これからも支持します。しかしながら、オープンクラスのグライダーは、開発および競技と言う分野でパラグライダー界にとっては有益であると考えます。CIVLの決定、声明の内容が断固としたものではなく、適切ではなく、正しい方法ではなくあるいは適切なタイミングではない、ことによりオープンクラスの終えんを見るのは悲しいことです。
競技は、どんなパイロットにとっても非常にストレスのかかるものです。CIVLがパイロットに短期間に違った装備を手に入れなければならないような基本的な変更をしたことは不幸なことです。最も不幸なことは、コンペパイロットが1シーズン中に2回もそうしなければならなかったことです。まずは世界選手権、そして今現在は、多くの国内大会に対してです。短期間での変更を余儀なくされることは、どんなパイロットにとってもストレスの増加にしかなりません。我々は、いつも賢く古いパイロットから、一度に変える装備は1つだけにし、それで大会に出ようとする前に慣れるために十分時間をかけるように言われたことを思い出します。どのクラスのパイロットにとってもこの忠告は正しいのです。
我々はまた、CIVLは世界選手権での問題を大会に出ていたオープンクラスグライダーに焦点を当てることによりパラグライダー界を混乱させたと感じています。世界選手権ではほとんどの選手がオープンクラスのグライダーに乗っていたので、オープンクラスを一時的に停止することは大会を停止する安易な方法であったと思いますが、事故の全様についてパイロットおよび国の機関に対して間違ったメッセージを送ったと考えています。
我々が気のついたことは、パイロットが早急な変更を余儀なくされたことで不利益を被っているだけでなく、新たに隠されたリスク:安心感と言う隠されたリスクの危険にさらされることです。
最近トータル的グライダーの安定性、特に高速時の、を高めるいくつかの非常に良い進化が(全てのクラスにおいて)なされました。これによりあるグライダーは、より安心して飛ぶことができるようになりました。我々はこれによりあるパイロットは一段上のクラスへとステップアップする気になったり、同じクラスに留まるパイロットが神経を使わずに飛べるようになったりしたと思っています。オゾンは、この安定性と安心感の増加をプラスだと公表してきました。そしてこれらの進化を、戦う土俵を同じにするために全てのパイロットに提供してきました。パイロットが使用するグライダーを選択するときに、クラスをどう理解しているのかに関して思い違いをしていたのかもしれません。いかに良くあるいは安心感のあるものを作ったにせよEN DのグライダーはEN Dのグライダーです。オープンクラスはオープンクラスですし、EN Cは依然としてEN Cなのです...全ての最近のグライダーでも、できるだけ安全に飛ぶには、相変わらず適切な技能レベルと注意が必要です。
もちろん、どのクラスで競技するにしても事故は起きるでしょうが、大会参加者のタイプに合わせてグライダーのクラスを合わせることができれば事故は少なくなると思われます。タスクセッターがパイロットを危険な状況へ追い込む可能性のあるタスクを組んでリスクを増大させるのではなく、リスクを最小にするようなタスクを組むようにすれば事故は減るでしょう。また、理由があまりにも簡単に忘れらてしまうような大会の環境に放り込まれる前に、使用するグライダーに十分慣れるだけの時間が与えられれば事故は減るでしょう。
我々はこれまで、うわべに隠された安心感の問題を目にしてきました:R10.2および3ライナー、R11そしてその他のクラスにおいても。大衆がオンラインのフォーラムで多くの情報を得るような時代では、最も見たいと思わないのは、Cとして販売されているグライダーをEN Bのように感じるとパイロットが評価することです。そのパイロットがグライダーを楽しんでいて安心感を持っていることは良いのですが、このような評価には注意が必要です。OK,あるCは、他のCより良いこともあるでしょうが、全てはステッカーに書かれている通りです!
要約すれば、かかわりのあるもの皆が、大会での安全性を改善する一部を担っていると我々は考えています。CIVLはこのスポーツの進化を変えるべきでは無く、参加するパイロットのレベルに合わせて大会をより安全にすることに集中するべきです。メーカーは、誰もが同じ土俵で戦える様に公平である一方、彼らの製品が正確に特徴を説明されるだけでなく正しくそのように振る舞うかを保証しなければなりません。同時にパイロットは、自分の選択したグライダーのリスクを理解することに集中しなければならず、そして大会主催者は、競い合う精神を保持しながら設定するタスクのリスクを最小限にしなければなりません。
これを達成するには、一定の制限を設けてオープンクラスを許容できるような新しいENクラスを追加することにより、メーカー、テストセンターそして協会からオープンクラスが支持されなければならないと考えます。現在、WG6グループが最新のスタンダードを最終的に詰めている最中なので、我々はこの新しいクラスを追加する絶好の機会だと考えています。これはまた、EN Dクラスが限界を追求されることで台無しにされるのを防ぐでしょう。CIVLは、参加するパイロットのレベルに基づく異なったタイプの大会に適合する安全性のガイドラインとルールを用意することに集中するべきであると考えます。これは、大会で使用されるグライダーが、パイロットのレベルに合わせて制限されることになるかもしれません。EN Dだけではなく、EN Cグライダーに制限される大会があるかもしれませんし、EN Bの大会さえもあるかもしれません。もしかしたら、全てのクラスのグライダーが等しく認められ、勝者が出るかもしれません。我々はまた、タスクセッターはタスクを設定する際に、大会に参加しているグライダーのクラスとパイロットのレベルを考慮しなければならなくなると考えます。これらのこと全てが上手くいったならば、パイロットは正しい選択をし、大会においてできる限り安全にフライトを楽しむことができるでしょう。それでも重大な事故は避けられないでしょうが、数は少なくなると期待しています。
―マイク・カヴァナ、オゾングライダー社